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19年に創設されて今回で第4回大会を迎えるBBCトーナメント。これまでは12月に開催されていたが、今回から1月開催に移行された。23年の記念レース開幕戦となるのがびわこBBCトーナメントだ。冬の湖都で熾烈(しれつ)なバトルが繰り広げられる。
大会2連覇をめざして登場するのは丸野一樹(滋賀)だ。21年12月に鳴門で行われた第3回BBCトーナメントで優勝。鮮やかな3コースまくり差しで頂点に立ったのが記憶に新しい。あれから約1年1カ月、タイトル防衛を狙って地元びわこでの戦いに臨む。びわこでは19年の周年記念で優勝するなど当地記念5優出1Vの実績。地元ファンの前でBBC史上初の連覇達成なるか。
地元勢では馬場貴也(滋賀)も目が離せない。22年は記念14優出4Vという凄まじい活躍。ダービーチャンプの座も射止めるなど、卓越したターン技術でボートレース界を引っ張る一年だった。23年も年始のBBCトーナメントで結果を残して幸先良いスタートを切りたいところだ。びわこでは記念7優出2Vの実績を誇り、20年の周年記念と22年の秩父宮妃記念杯でV歴。知り尽くした地元水面でトーナメントの頂をめざす。
遠征勢ではまず瓜生正義(福岡)に注目したい。前回のBBCトーナメントで優勝戦1号艇に乗るも2着惜敗。雪辱のタイトル奪取を狙う。
寺田祥(山口)は20年に若松で行われた第2回BBCトーナメントの覇者。連覇がかかった前回大会はまさかの1回戦敗退に終わっており、今回はタイトル奪還をめざして勝ち上がりたい。
グランプリシリーズでSG初Vを飾って勢いに乗る宮地元輝(佐賀)も楽しみだ。びわこは通算9優出3Vと好相性で、当地4節連続優出中と好走が続いている。
女子レーサーも見逃せない。遠藤エミ(滋賀)と香川素子(滋賀)の地元勢や、守屋美穂(岡山)、中村桃佳(香川)らが登場する。BBCトーナメントでは20年に守屋が優出4着、21年に遠藤が優出4着に入っており、女子初のBBCトーナメント制覇も夢ではないだろう。
(※データは22年12月19日時点。カッコ内の表記は支部)

びわこでの第4回BBCトーナメントが開幕。初日は出場48選手によって1回戦(8個レース)が行われた。
メインカードの12Rは前回BBCトーナメント覇者の丸野一樹が1号艇で登場。インからきっちり逃げ切って地元ファンの期待に応えた。大会史上初の2連覇に向けて好スタートを切っている。
地元滋賀勢では馬場貴也も11R1号艇でイン逃げを決めて快勝。馬場はBBC過去3大会いずれも1回戦敗退に終わっていたが、雪辱を果たして自身初の準々決勝戦進出となった。
6Rでは茅原悠紀が魅せた。3コースから握って2番手につけると、2周1マークで強烈な差しハンドルを決めて先行する原田幸哉を逆転。好気配を見せる初日となった。
8Rは初日唯一の万舟決着に。上平真二が2コース差しを決め、3連単3万2830円の高配当となった。2着にはびわこG1優勝5回を誇る松井繁が入線。1号艇の宮地元輝は3着に踏ん張って1回戦突破となっている。
その他では寺田祥が6R4号艇で4着に終わって敗退。20年BBCトーナメント覇者が1回戦で姿を消した。菊地孝平は8R3号艇で5着に終わり、BBCトーナメントは3大会連続の1回戦敗退と相性が良くない。昨年グランプリ優出3着の磯部誠は7R3号艇で5着に終わって脱落している。
女子レーサーは8人が出場。守屋美穂が5R2号艇で3着、寺田千恵が7R4号艇で3着に入って1回戦を突破した。守屋は前々回の20年大会で優出4着に入っており、2大会ぶりの優出に向けてまずは第一関門をクリア。寺田は3回目のBBCトーナメント出場で初の1回戦突破となった。地元の2人は遠藤エミが7R2号艇で4着、香川素子が11R2号艇で6着に終わって敗退。クイーンズクライマックス覇者の田口節子は6R2号艇で5着敗退となっている。

びわこBBCトーナメントの2日目。1回戦を突破した24選手によって準々決勝戦(4個レース)が行われた。
9Rは地元の馬場貴也がイン逃げで快勝。1分46秒7の今節最速タイムで独走した。2着には4コースから握った上條暢嵩、3着には5コースからまくり差した石野貴之の大阪勢が入線。石野は1回戦・準々決勝戦ともに5号艇で3着をもぎ取って勝ち上がり、2大会連続のBBCトーナメント準決勝戦進出を果たした。
10Rは池田浩二がインからコンマ08のトップスタートで逃げ切り快勝。2大会ぶり2回目のBBCトーナメント準決勝戦進出となった。2着には松井繁、3着には片岡雅裕が入って勝ち上がりに成功。びわこG1優勝5回の松井と、17年びわこ周年覇者の片岡が準決勝戦に駒を進めている。前回優出2着の瓜生正義は6号艇で5着に終わって敗退した。
11Rは深谷知博がインから逃げ切ったが、毒島誠が2周1マークで強烈な差しを決めて逆転。2連対率47位の低勝率モーターとは思えぬ舟足を見せた毒島が価値ある1着を手にした。毒島は19年平和島大会で優出4着、20年若松大会で優出6着に入っており、BBCトーナメント優出2回は瓜生正義、吉川元浩、田村隆信と並ぶ大会最多タイ記録。3日目は記録更新をめざして準決勝戦に臨む。
12Rは地元の丸野一樹がインからコンマ11のトップスタートで盤石の逃げ切り。大会2連覇に向けてまたひとつ階段を上がった。2着には茅原悠紀、3着には桐生順平が入ったが、茅原は1周2マークで他艇と接触があり不良航法のため賞典除外に。4着の宮地元輝が繰り上がりで準決勝戦の切符を手にした。
女子レーサーは2人が準々決勝戦に臨んだが、守屋美穂が11R5号艇で6着、寺田千恵が12R6号艇で5着に終わって敗退。これで女子は8人全員がトーナメントから姿を消した。

びわこBBCトーナメントの3日目。準々決勝戦を突破した12選手によって準決勝戦(2個レース)が行われた。
11Rは池田浩二がインからコンマ05のトップスタートで逃げ快勝。1回戦・準々決勝戦・準決勝戦をいずれもイン逃げで制し、BBCトーナメント出場3回目で大会初優出を飾った。
2着には3コースからまくり差しの好旋回を見せた深谷知博が入線。準々決勝戦では道中逆転を許してイン戦2着という悔しいレースがあったが、雪辱の走りを見せてBBCトーナメント初優出を果たした。
3番手争いは桐生順平と羽野直也の勝負となり、競り勝った桐生に軍配。桐生は1回戦2着、準々決勝戦3着、準決勝戦3着と白星なしで勝ち上がり、BBCトーナメント初優出を手にした。
地元の馬場貴也は2コース差し不発で5着に終わって無念の敗退となっている。
12Rは地元の丸野一樹がインから逃げ切って快勝。選出順位1位のアドバンテージを生かし、3日続けて12R1号艇でイン逃げを決めて勝ち上がった。大会2連覇へあとひとつだ。
2着には3コースからまくり差した松井繁、3着には4コースから握った上條暢嵩の大阪勢が入線。ともにBBCトーナメント初優出となっている。
なおレース後に決勝戦の枠番抽選が行われ、1号艇から順に松井繁、丸野一樹、上條暢嵩、桐生順平、深谷知博、池田浩二という並びになった。
松井が絶好枠を引き当て、19年6月の桐生周年以来となる約3年7カ月ぶりのG1制覇に王手。丸野は前回は3コースまくり差しでの優勝だったが、今回は2号艇で連覇をめざすことになった。
中枠は上條暢嵩と桐生順平。BBCトーナメントは過去3大会いずれも準決勝戦3着で勝ち上がった選手が優勝というジンクスがあり、この2人がレースのカギを握ってくるかもしれない。

びわこBBCトーナメントの最終日。準決勝戦を突破した6選手によって決勝戦が行われた。
風速0m、波高1cmの穏やかな水面で始まった頂上決戦。進入は動きなく123/456で枠なりの3対3。STは内からコンマ11、17、16、16、13、16となり、インの松井繁がトップスタートで先手を奪った。
1マークは松井がインから先マイし、丸野一樹が2コースから差す展開に。センターの上條暢嵩と桐生順平は攻めきれず後退し、アウトから深谷知博と池田浩二が差して浮上してきた。
バック直線に出ると松井が先頭に立ち、1艇身後ろで丸野が追走する隊形になった。そして松井が2マークを先取りし、後続を引き離して勝負あり。第4代BBCトーナメント覇者の称号は松井が手中に。地元の丸野は惜しくも2着に終わって史上初のBBCトーナメント連覇を逃した。
松井はこれがG1通算59回目の優勝。19年6月の桐生周年以来となる約3年7カ月ぶりの記念制覇となった。びわこでは95年の近畿地区選、96年の周年記念、04年の周年記念、07年のダイヤモンドカップ、15年の周年記念に続いて実に6つ目の記念タイトルとなっている。
これで松井は優勝賞金1100万円を獲得し、今年の賞金ランキングでもちろん1位に浮上。3年ぶりのグランプリ出場に向けて最高の年始となった。また生涯獲得賞金を約39億8262万円に伸ばし、ボートレース界史上初の40億円突破へまた一歩大きく前進している。
53歳2カ月でのBBCトーナメント制覇。松井にとっては50代に入ってから初めてのG1タイトルとなった。大ベテランとなっても衰えることのない探求心と勝負へのこだわり。王者の進撃はまだまだ続いていく。
BBCトーナメント攻略ポイント
びわこといえば以前は全国有数のイン受難水面だった。年間のイン1着率を見ると、17年は46.1%、18年は50.4%、19年は48.4%といった数字だ。50%前後にとどまり、全国平均を大きく下回るのが常だった。
しかしびわこでは20年10月に第1ターンマークの位置を沖合へ3m移設。これで劇的に変わった。インの選手はマイしろが広がって余裕を持ってターンできるようになり、イン逃げの成功率が急騰。最近1年間のイン1着率は55.7%で、移設前と比べると5%以上も一気に上がっている。もはや全国平均(56.1%)と大差ない数字になっており、びわこがイン受難というイメージは捨てるべきだろう。

ターンマーク移設の影響は決まり手にもはっきり出ている。大きく減ったのは「2コース差し」や「4コースまくり」だ。
2コース差しの出現率は19年が10.8%だったが、最近1年間では8.1%まで急落。インの選手が余裕を持って旋回ができるようになったため2コースから差し切るのが難しくなった。
4コースまくりは19年が出現率5.3%だったのに対し、最近1年間では4.1%まで下落。ターンマークまでの距離が遠くなったぶんまくり切るのが容易ではなくなったようだ。
逆に増えているのは「5コースまくり差し」だ。19年は3.0%だったが、最近1年間では4.3%までアップ。4コースの選手がまくりを狙うも攻め切れず、5コースの選手が展開をつくというパターンが増加していると考えられる。

びわこでは最近1年間で2124レースが行われているが、風向の内訳は追い風1147レース、向かい風629レース、無風175レース、左横風112レース、右横風61レースだ。追い風がやや多めとなっている。
びわこの月別の風向グラフを見ると、春や秋に追い風コンディションが増える傾向。夏や冬は追い風と向かい風が混在している。例えば1年前の冬、22年1月に行われたびわこ正月レースでは、節間72レースの風向内訳が向かい風33レース、追い風24レース、その他15レースだった。23年1月開催のびわこBBCトーナメントでも追い風と向かい風が入り乱れる可能性が高そうだ。

ではびわこの風向別のコース別データで狙い目を探してみよう。追い風では「1コース」と「2コース」の1着率が上昇気配。風速1~4m程度の緩やかな追い風ならインが優勢で、風速5mを超えるような強い追い風ならインの選手はターンが流れやすくなるため2コース差しが増える傾向だ。
向かい風では「5コース」に注目したい。追い風時と比べると1着率が4%も跳ね上がっている。向かい風ではセンター勢がまくりを狙って攻め込む機会が増加するため、5コースからまくり差しで展開をつくケースが増える傾向だ。
